*昨年、2022年6月の記録です。最新の情報は未確認なのでご注意ください。
このブログ内容のまとめ動画は、以下のYouTubeリンク。
2022年6月下旬、真岡鐵道の「SLもおか」に乗車するため、下館駅を訪れた。兵庫県民の私からすると、東京を越えたさらに先にある場所なのでかなり遠い。その前日には「SLパレオエクスプレス」乗車のために秩父鉄道を訪れており、今回はそれとまとめてのSL列車乗車旅行となった。なおブログと動画作成が一年以上後になったのは、単に鉄道記事を書くブログとYouTubeチャンネルをもっていなかったため。これまで撮った鉄道関連の動画や静止画がHDDの中に溜まるだけだったので、自分自身の日記として記録しておく場所を2023年7月になってやっと作成した。
さて、この旅行の事前準備としてSLもおかについて色々WEB検索していると、下りのSLもおか(下館発)は、下館駅にかなり早めに入線してきて、その後1番線と側線を行ったり来たり3往復ぐらいするらしいということが分かった。それはもちろん見たいので、下館駅には下りSLもおか発車時刻(10:35ぐらいだったかも・あまり正確には覚えていない)の約1時間前に到着した。
乗車予定の真岡駅までの乗車券を買ってホームに入った。SLもおかに乗車するためのSL整理券は事前にWEBで予約していたので、ホームに入ってから引き換えを行った。さすがに1時間も前ではSLもおかの姿は無く、しばらく真岡鐵道のホームで待機した。そして、SL発車の約40分前の9時56分頃、SLもおかがディーゼル機関車(DL)のDE10 1535号機に牽かれて1番線に入線してきた。
ホームにはまだ一般の乗客はほとんどおらず、数人の鉄道ファンだけで撮影しやすい。客車は50系客車3両編成。3両の50系客車の前後にSLとDE10が付いているのは「SL人吉」と同じ。ただ、人吉の50系客車は観光用に改造された冷房車。SLもおかの方は冷房無しでオリジナルのまま。なので客車からはエンジン音がせず静か。この前日に乗ったSLパレオエクスプレスの12系客車は冷房付きで、そばに寄るとかなりうるさかった。
SLもおかの牽引機は「C12 66号機」。2019年末まではこれに加えて「C11 325号機」が活躍していたが、維持費用が掛かりすぎるため東武鉄道に譲渡された。つまり2020年からはこのC12 66 のみで運用している。C12 はC11と同じくタンク機関車で、炭水車が無いので運転席から後ろが見やすく、バック運転に適している。C12は軸重の軽い支線向けの小型機関車で、炭水車のある(テンダー式)のC56と共通設計となっている。C56もC12も小さくて、ローカル線を走る姿がとてもよく似合う。
まず1番線に入線したSLもおかは、その後すぐ(1~2分後)、SLを先頭にしてホームから出て行った。
このとき、後ろにはまだDE10が付いており、列車全体を押して進んでいる。SLは動力を使っていないと推測される。煙も吐いていないし、加減リンクがミッドギアにかなり近い位置にある。
構内の側線と分岐するポイントの向こう側、踏切を渡ったところで停止。ポイントを側線側に切り替える。この作業中は踏切が閉まったままで、地元の通行人もじっと待っている、日常のことなので慣れているのだろう。
そしてDE10牽引で側線に入線。このあたりの一連の動作はとても鉄道模型的で楽しくなる。なぜ側線へ移動するかというと、このあと1番線に普通列車が入るので、1番線を空けるため。それなら、最初から側線へ入線すれば良いのではと思うが、その理由は不明。ファンサービスなのかもしれない。実際、こうやって楽しませて頂いている。
側線へ移動後、ここでしばらく待機。これで1往復半になる。側線に移動したことで、機関車の下回りが良く見えるようになった。
車体はピカピカに磨かれており、周囲の景色が映るほど。大切に扱われていることが分かる。
ワルシャート式弁装置(ミッドギア状態)。これをちゃんと理解するのは、なかなかに難しい。
昭和8年(1933年)、日立製作所で製造された。2023年で90歳。
タンク機関車なので後方の見通しが良い。逆に、客車側からも運転席が見通せる(後で乗車してから確認した)。
客車は原形の50系客車。冷房が無く扇風機のみなので、夏場は窓を開ける必要がある。昔はともかく、冷房に慣れた現代人にとって、特に真夏は熱中症に注意が必要。ただ、冷房用発電機が無いため窓を開けていても静か。私が子供のころ「レッドトレイン」として派手にデビューしたことを覚えている。私の近くで言うと、例えば播但線で走っていたが、ついに乗ることがなかった。なぜなら、当時は旧型客車列車の方が魅力的だったから。50系は自動ドアの“通勤電車”(電車じゃないけど)であり、わざわざ乗りに行くものでもなかった。しかし、今、このように貴重な存在になるとは。それを言うならSLもそうだけど。
DE10は切り離されており、ここからはSLだけで客車を牽引する。DE10は全国で観光列車やイベント列車の牽引や補助として活躍している。それほど注目していなくても、乗り鉄に行くと「なぜかいつもそこにいる」。DE10。縁の下の力持ちであり、これが故障するとSLもおかが運転できなくなる。実際、過去にそのような事態が発生した。
さて、側線のSLもおかを色々眺めていると、1番線に普通列車が入ってきた。
派手な塗装の気動車。モオカ14形、14-4。14形というのは平成14年に営業運転を開始したからだそうだ。
この塗装は一般公募で採用されたらしい。由来は不明。
そして普通列車が出発し、1番線が空いたので、SLもおかが側線から1番線に移動開始。
今度は後ろにDLが付いていないため、SLの動力だけで移動することになる。そのため煙も吐き、SLらしいサウンドも聞くことが出来た。これはなかなかしびれる。が、静止画では伝わらない(ので、冒頭のように動画で撮影した)。
1往復目の移動と異なり、SLの動力で動いているので、加減リンクもフルギアに近めの前進。
ポイント踏切の向こう側で停止し、ポイントを1番線側へ切り替え。通行人も車もじっと待っている。これで2往復。
そしてバック運転で1番線へ入線してきた。
停止直前なので、加減リンクは後進フルギアとミッドギアの中間ぐらい。専門用語で何というのか分からないけど(締切50%?)。
これで2往復半。出発すると構内3往復となる。
この時点で、ホーム上にかなり多くの人が集まってきた。もう乗車が始まる。席は自由席なので、自分の思うような席につけないこともあると思う。
もう少しホーム内を見て回った。最後尾の客車、オハフ50。
関東鉄道常総線も同じ下館駅を使っており、車両が見える。時間があれば乗ってみたかったが、スケジュールが合わずパスした。残念。
さて、下館駅での一連の動きを見ているだけでもう”お腹いっぱい”の感じがしたが、発車時刻となったので、乗車した。ホームの人に手を振り下館駅を去る。
他のSL列車にも共通するが、乗車してしまうとSLは見えない。
このSLもおかは窓を大きく開けているので、SLの音はよく聞こえるし、煙も入ってくるので、まだSLの存在を感じられるが、やはり外から見ているように姿が見えないのは実感が薄い。そこで客車の最前部からSLを眺めてみた。
中央の貫通扉の窓からは後部のナンバープレートが見えた。
そして、左側の窓からは運転席が見通せた。このような造りになっているので、バック運転も行いやすい。
窓は下部を開けて上部を閉めていたが、閉めていた上部に煤が多くついていた。そして、窓際に座っていた自分の顔にも煤がいっぱいついていた。
今回の乗車は、スケジュールの都合で真岡駅までとなった。真岡駅までは38分程度の短い乗車。できれば終点の茂木まで行きたかったが残念。
このあと、真岡駅横の「SLキューロク館」を見学し、帰路についた。
今回は本当に慌ただしくて、朝早く下館駅に行けたのは良いが、そのあとSLもおかは真岡駅までの乗車で終点の茂木まで行けなかったし、関東鉄道にも乗ることが出来なかった。なので、次の機会をつくって、次はそれらを体験したい。
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