若桜鉄道(鳥取県)では、国鉄C12形蒸気機関車を圧縮空気で動くようにして保存しており、4月~11月の第4日曜日にトロッコをひかせて運転している(トロッコには有料で乗車することも可能)。今回はこの乗車体験に行ってきた。また若桜駅には12系客車やDD16形ディーゼル機関車、転車台など国鉄時代の車両・設備があるのも見どころ。これらはYouTubeに動画をアップロードした。
ここから下は、この動画の要約となる。
若桜鉄道は、JR因美線の郡家駅から分かれ、終点・若桜までの19.2kmを結ぶ第三セクター鉄道。元々は国鉄若狭線だった。というわけで、まずは郡家駅から出発。
郡家駅は2014年に改築された比較的新しい建物。木造のモダンなデザイン。
駅舎内も吹き抜けで広々としている。
郡家~若桜間は片道440円なので、往復するなら1日フリー切符を買った方が安い。
郡家駅のホームで待っていると、若桜行きの列車が2両編成で到着した。若桜鉄道は電化されていないので、走っているのは気動車。
先頭車両は若桜鉄道のWT3000形「若桜号」だが、始発は鳥取駅で、因美線を経由してやって来る。なお、鳥取駅から出る因美線の列車には智頭急行の車両(HOT)も使われており、これら2社の第三セクターの車両が乗り入れていることになる。
私が乗車したのは2両目のWT3300形「宝くじ号」(日本宝くじ協会寄贈)。現在はスズキのオートバイ「隼」とのコラボラッピング車両となっている。車両内には隼の写真が掲示されている。
郡家駅を出発すると、JR因美線と別れ、若桜鉄道線を進む。
途中の隼駅には、電気機関車ED301と12系客車が留置されていた。
ED301は元・北陸鉄道の電気機関車。
この隼駅は、スズキのオートバイ、隼の聖地らしい。
若桜線のほぼ全線にわたり、のどかな田園風景が続く。
宝くじ号(WT3301)の車内は転換式クロスシートで、2人掛けの前向き座席になり、ゆったりと風景を楽しめる。
途中の八東駅には、ワフ35000形貨車が留置されていた。これは有蓋貨車と車掌車が一体化したもの。
若桜駅に到着。
若桜駅構内にはDD16ディーゼル機関車と、12系客車が留置されていた。DD16は線路規格が低い路線のC12やC56を置き換えて無煙化する目的で製造された、軽量コンパクトなディーゼル機関車。
この12系客車はJR四国から譲渡されたもので、ジョイフルトレイン用にグリーン車改造されている。
若桜駅前では、年1回のイベント「鬼っ子まつり」が行われていた。出店も結構あってにぎやか。
さて、今回の目当てであるSLトロッコ乗車体験に行ってみた。
このC12 167は、兵庫県加美町に保存されていたものを、2007年に譲渡された。現在、蒸気ではなく圧縮空気で動くように改造されている。
トロッコに乗ってみたところ。ナンバープレートの色がピンク色をしているのは珍しい。
乗車するのは、無蓋貨車そのままの形態(一応、椅子はある)。京都鉄道博物館のSLスチーム号のように観光用に改造されたトロッコ車両ではない。そのままの無蓋貨車に乗る体験も、めったに無いのではないか。
後ろから見ると、石炭搭載部にエアコンプレッサーが設置されている。型番から判断すると、これは北越工業社製のPDS100SCという、ディーゼルエンジン式のコンプレッサー。ディーゼルエンジンで発電して電気モーターで走行する機関車は電気式ディーゼル機関車に分類されるが、このC12はディーゼルエンジンで空気を圧縮して、ピストンを動かして走行しているので、実質ディーゼル機関車ではないか?
若桜駅構内には転車台があり、トロッコ乗車体験受付はその横で行われている。
若桜鉄道が所有する気動車WT3000系3両は、いずれも水戸岡鋭治氏デザインで観光車両化されている(WT3001「八頭号」、WT3003「昭和号」、WT3004「若桜号」)。
若桜駅の待合室はカフェも兼ねている。
レトロな雰囲気のカフェで、ソファもあり、居心地が良い。
帰る前に少し休憩。チーズケーキセットを食べた。
帰路(若桜→郡家)は、昭和号(WT3003)に乗車。
水戸岡鋭治氏デザインの、木を主体とした温かみを感じる内装。車内には中づり広告類が無く、落ち着いた雰囲気になっている。固定式のボックスシートだがテーブルが設置されており、観光列車らしい雰囲気。
郡家に到着した後は、「スーパーはくと」で明石まで帰宅した。
途中、全面ピンク色の「恋山形駅」を通過。
スーパーはくとは振り子式気動車で、智頭急行線内のトンネルとカーブが連続する区間を高速で走り抜けていく。今回は最前列席を確保できず前から3列目となったが、前面展望を十分楽しめた。
山陽本線に入ってからは、新快速と同じ130km/hで快走。
明石に到着。最後まで楽しめた。
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