2023年11月初旬の休日、奈良県五條市の新町通りの散策・鉄道スポット巡りに出かけ、その途中で近くの「五條市史跡公園」に静態保存されている、国鉄8620形蒸気機関車78675号機を見てきた。
なお、動画は下のYouTubeリンクの12分45秒ぐらいから。
この機関車は晩年に金剛山麓を走っていた事、そして8620形の86を取って「SL金剛・ハロー号」という愛称が付いている。説明は横に設置された説明版に書かれていた。
展示場所は低い柵に囲まれており、側には寄れないが、見るのに邪魔にはならない。桜の季節に来るのが良さそうな感じ。
まず最初に思ったのは「保存状態がとても良い」ということ。これまで見てきた8620形の静態保存機では、青梅のトップナンバー機8620に次いで良い印象を受ける(きれいに整備されているらしい三次の48650号機はまだ見に行けていない)。なにしろ、この前に見たのが大牟田市動物園の48696号機で、それがあまりにも悲しい状態だったので、この金剛・ハロー号の良く整備された状態との落差はとても大きい。
設置されたのが昭和47年(1972)年なので、今年で51年になる。もう半世紀も経過しているが、塗装もきれいで清掃もきちんとされている。私が行ったときは蜘蛛の巣が所々に張っていたが、蜘蛛の巣は少しの間目を離すとすぐ張られるので、これは仕方ない。
配管類を金色に塗装していて、それがアクセントになっている。動輪やロッド類の塗装も剥がれが無い。
運転台側面というのは、多くの保存機でボロボロと塗装がはがれていたり、窓ガラスが無くなっているものだが、これはきれいな状態。
テンダー後部のナンバープレートが無かった。これだけきれいな保存状態なので、これは惜しい。盗られたんだろうか。レプリカでも良いので補充できないものか。テールライトも欠落があるように見える。
炭水車の側面もノッペリしているので塗装の剥がれや割れが目立つところだが、大丈夫そう。
8620側の運転台側面の窓は、結構バリエーションが多い気がする。京都鉄道博物館の動態保存機8630は、大きな引き戸式の窓だった。
日本型在来線のNゲージ鉄道模型に慣れていると、本物の狭軌はとても狭く見える。というか本当に狭い。この線路と枕木は51年間78675号機を支え続けてきたのだろうか。静荷重だとそれほど傷まず長持ちするのかな?
ワルシャート式弁装置の仕組みはなかなか理解が難しい・・・。
機関車を覆う屋根も、傷みは見られない。
最近は日本全国で保存SLの傷みが問題となっているが、この78675号機は設置後51年経っても良好な状態を保っており、保存会によって大切にされてきたのが分かる
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