「スーパーはくと」は良コスパな乗り物アトラクション!

*動画は以下のYouTubeリンク。


スーパーはくと」は、京阪神と鳥取・倉吉を結ぶ気動車特急。JR西日本と智頭急行の路線を走行し、使用車両は智頭急行所有の「HOT7000系」。1両あたり700馬力のエンジンを搭載し、最高速度130km/hを出すことが出来るスーパー気動車。

スーパーはくと(HOT7000系気動車)
スーパーはくと(HOT7000系気動車)
HOT7000系の側面窓ガラスはハーフミラー
HOT7000系の側面窓ガラスはハーフミラー

京都から西明石の複々線区間は外側線(列車線)を新快速電車に混ざって走行しており、並走する普通電車や快速電車を次々と抜いていく。普段の日は通勤で使っているJR神戸線内で頻繁に見かけるが、鳥取まで乗ったことは過去に1回(1往復)しかない(しかもその時は仕事での出張だったので、あまり楽しくなかった)。

そもそも京阪神と鳥取を行き来するための特急ではあるが、京阪神内だけの移動でも結構使える。例えば休日に日帰りの遊びで京阪神間をJRで移動する場合、新快速は朝夕いつも混んでいて座るのが難しい。私は西明石に住んでいるが、京都まで行くときなどは新快速で1時間ぐらいかかり、それを立っていくのは結構つらい。現地に着くまでに既に疲れた状態になってしまう。

最近は新快速に「Aシート」という有料シート車が登場し、私も何回か使ったことがある。

新快速Aシート車両(225系4次車)
新快速Aシート車両(225系4次車)

Aシートは料金も\600(チケットレス)と手頃。ただこれは編成中に1両しかなく、座席数が少ない。当日朝に天気の状況を見てから出かける場合、窓側席は既にほとんど埋まっていて、2人で並んで座るのは難しい。

新快速Aシート車内
新快速Aシート車内

西明石は新幹線駅なので、「新幹線」という選択肢もある。EX予約カードも持っているので手軽に乗れるのだが、やはり高い。高くても楽しければ良いのだが、東海道・山陽新幹線は普段出張で乗っているためか、どうも仕事の印象が強いので避けたい。

そこで「スーパーはくと」の出番となる。明石駅8:45発の「スーパーはくと2号」ならば、少し遅めではあるが京都への日帰りにちょうど良い。なにしろ「気動車」なので乗っていて楽しい。ほかの在来線特急としては「はまかぜ」もあるが大阪までしか行かない。「サンダーバード」・「くろしお」・「はるか」は大阪から京都間だけ。姫路以西から京都まで通して乗ることが出来る昼行特急は「スーパーはくと」だけ(夜行ならサンライズ瀬戸・出雲があるが)。

そして前日から予約できる「J-WESTチケットレス」なら、特急料金が\850(明石-京都)とかなり安い。当日朝の天気を見て思い立っていくのに丁度いい。しかも結構空いている。

新快速で立ったままの辛い移動時間(大阪で空いて座れることが多いけど)が、運賃に\850の追加で気動車特急に1時間乗車できる楽しい時間に変わる。これはもはや「アトラクション」だ。Aシートより\250高いだけなので「お得感」がある。またWESTERポイントを消費して\650で乗ることもできるようだ。

車窓については新快速となんら変わりが無いのだが、先頭車に乗ると前面展望が楽しめる。最前列の座席はいつも埋まっていることが多いが、前面窓が大きいため、後列の座席からもある程度前の景色が見える。

スーパーはくと・先頭車の真ん中付近の列からの前面展望
スーパーはくと・先頭車の真ん中付近の列からの前面展望

先日、明石から京都まで乗った時は先頭車(5号車)の中ほどの列しか予約できなかったが、大阪・新大阪でほとんどの人が降りたので、京都線内は前面がクリアになった。このあたりは近鉄「ひのとり」とは異なる。「ひのとり」も前面窓が大きいが、ハイデッカーのために全面窓の位置が低くなり、後列席からは空しか見えなかった。

(参考)「ひのとり」の中ほどの列からの前面展望
(参考)「ひのとり」の中ほどの列からの前面展望

なお、先頭車の空き具合だが、例えば本日(2023/7/15)・3連休初日の土曜日、明石8:45の京都行きでは下のような感じ。

増2号車が連結される繁忙期だが、発車1時間前でまだ後ろの方に並び席で空きがある。増2号~4号車の中間車両はもっと空きが多い。もちろん予定が速めに決まっているのならば最前列を確保するのが良い。その場合、京都行5号車ならば通路側C席がベストと思う。

ただ、先頭車両はたまに「貫通型」になることがあり、これは事前にわからないようだ。最前列の席を頑張って確保しても、これが来るとガッカリだと思う。

HOT7000系・貫通型先頭車(HOT7020)
HOT7000系・貫通型先頭車(HOT7020)

そして、展望に加えてもっと楽しいのがエンジン音。バイクや車もそうだが、やはりエンジンをうならせて加速していく感じはたまらなく楽しい。そして細かいことを言うと、変速は無段階よりも有段階の方が、運転している感じがして良い。ただ、普通の乗客からすると静かな電気モーターで変速ショックも無いほうが乗り心地が良いのは当たり前なので、今後気動車の主流がハイブリッドになることは仕方ない。

HOT7000系は登場から29年が経過して老朽化しており、置き換えの検討もされているようだ。新型はハイブリッドになる可能性が高いので、乗るなら今のうちかと思う。

エンジン音はブログでは伝わらないので、冒頭の動画(YouTube)をぜひ見てほしい。


さて、明石から京都に日帰りで行って遊んだ後、疲れ切った身体で新快速に乗って立って帰ってくるのはとてもつらい。そんなときはやはり「新幹線」の誘惑があるが、時間が合うようなら下りの「スーパーはくと」も選択肢になる。

京都駅・スーパーはくと11号・倉吉行
京都駅・スーパーはくと11号・倉吉行

京都から新大阪までは特にガラガラに空いている感じ。

京都駅・スーパーはくと11号・倉吉行
京都駅・スーパーはくと11号・倉吉行

下りは先頭車が自由席になるので中間車の指定席に座ったが、モニターがついていて、前面の様子を見ることが出来た。中間車でもモニター側(進行方向右側)の前列を取るのが良いかも。

スーパーはくと・中間車の前面モニター
スーパーはくと・中間車の前面モニター

このように、通勤路線でのうんざりする移動を楽しい乗車体験に変える「スーパーはくと」だが、前述したように車両の老朽化で置き換えが検討されているほか、運行区間が鳥取県から姫路止まりとされる懸念もあるようだ(つまり、姫路~京都間は廃止)。本当に乗るなら今のうち。

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