SLやまぐち号(C57-1)の危機を救った同型機C57-5号機

やまぐち号の初代牽引機である、C57-1号機。現在も現役ではあるが2020年に故障して、現在も梅小路で修理中となっている。

C57 1号機 2023年6月・梅小路

2023年の秋からは全般検査がはじまったようなので、今後復活してくれると期待している。D51 200も良いけど、やはりやまぐち号はC57のイメージが強い。

このC57は度々故障しては復活しているが、最大の危機は1995年の阪神淡路大震災の時だった。当時、神戸市内の鷹取工場で検査中だったC57-1は、地震の揺れでジャッキから落下し、ボイラーなど多くの部分を損傷して、再起が危ぶまれたそうだ。

そのとき目を付けられたのが、近くの姫路市内の公園に静態保存されていた、C57-5号機。この両機は同じ川崎車輛製で、製造時期も近かったことから、部品の多くが転用可能だった。そのため、このC57-5号機から1号機へ部品を供給し、無事にC57-1号機は復活できたという経緯がある。つまりC57-5号機は1号機の救世主ともいえる。

このC57-5号機は現在も姫路市内の「御立(みたち)公園」に静態保存されている。今回、これを見にいった経過を動画にしてYouTubeにアップロードした。

御立公園は、以前は「御立交通公園」といったそうだが、現在は御立公園に改名されている。

公共交通でのアクセスはあまり良くなくて、自家用車で行くのが便利。ただし私は今回、姫路駅からバスで行くことにした。姫路駅北口バス停2番乗り場から「白鳥台」行に乗り、30分ぐらいで、田井橋で降り、そこから徒歩数分となる。バスは一時間に1本程度しかないので、帰りのバス時刻を把握しておくことも大切である。

C57 5号機 2024/6/22 御立公園
C57 5号機 2024/6/22 御立公園

C57-5は柵に囲まれていて、近づくことは出来ない。部品類の盗難や破損などを考えると、柵で守るのがベストなのだろう。私のカメラはコンパクトデジカメなので、柵の隙間から撮影をすることが出来た。屋根は簡易的な感じでアーチ形・高さもあり幅が狭めなので、雨はかかりやすいと思う。

C57 5号機 2024/6/22 御立公園
C57 5号機 2024/6/22 御立公園

前面に取り付けられた、大きなスノープロウが目立つ。実際に雪をかき分けて走行したこともあったのだろうか。

C57 5号機 2024/6/22 御立公園
C57 5号機 2024/6/22 御立公園

ロッド類は白一色でシンプルに塗装されている。キャブ周りもガラス割れやプレート欠落も無く、きれいに整備されている。

C57 5号機 2024/6/22 御立公園
C57 5号機 2024/6/22 御立公園

後ろから見たところ。非公式側をホームに横付けする形になっている。ホームには待合室のようなものもあり、停車中の雰囲気が出ている。

C57 5号機 2024/6/22 御立公園
C57 5号機 2024/6/22 御立公園

非公式側はホームがあるので見えにくい。キャブ側面などをみると、表面はさすがに年季を感じさせる荒れかたになっているが、丁寧に塗装されていて状態は良い。近づけないので、キャブ内を見ることは出来なかった。

C57 5号機 2024/6/22 御立公園
C57 5号機 2024/6/22 御立公園

1号機には旋回窓が付いていたと思うが、5号機には無いようだ。

C57 5号機 2024/6/22 御立公園
C57 5号機 2024/6/22 御立公園

こうしてホームに停まっているのを見ると、いまにも動き出しそうな感じがする。

説明板

説明板は柵の外にある。

C57 5号機 説明
C57 5号機 説明

塗装などの整備は地元ボランティア団体が行っているそうだ。

ボランティア募集
ボランティア募集
キャブ側面(公式側)

各地の公園等で静態保存されているSLは、放置されて崩壊寸前の状態のものから、動態保存機に近いきれいな状態を保っているものまで様々ある。その中でこのC57 5号機はかなりきれいな部類になるのではと思う。

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